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サガイ・ナイン農民虐殺事件の真相──第2回 封印された土地紛争

フィリピン西ネグロス州北部に位置するサガイ市のサトウキビ大農場ネネで、2018年10月、その農場で働く9人の労働者がブンカラン(*1) 初日に殺害されたサガイ・ナイン農民虐殺事件。この事件の背景には、地主に所有され続けている土地の分配をめぐる争いがあったわけだが、今回は、国家警察がこの土地紛争の問題についてどのように発言していたかについて検討する。


 国家警察や国軍は、一連の発言をとおして土地紛争に関する争点をずらしたことが明らかになってくる。この事件を契機に、法と制度に則り土地の分配を求める農民たちの訴えにブレーキがかけられた。国家警察が何を守るための政治的装置かがこの事件で浮き彫りになったと言えるだろう。フィリピン政治史における象徴的な事件となった。

プロローグ 阻まれる農地分配」では、この事件の背景にあるフィリピンの根深い土地所有の問題と被害者たちが直面していた土地紛争についてお話しした。「第1回 『vs.共産党』という構図の流布」では、フィリピン治安当局が一連の発言をとおして、「事件の背後にはフィリピン共産党とその軍事部門新人民軍がいる」と情報の受け手をミス




リードしたことについて述べた。

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