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フィリピン、インドネシア、インドでの人権侵害が浮き彫り 殺害は91人に


【写真】オンラインで議論を交わす参加者。下段の右がクリスティーナ・パラバイ氏



【11日=東京】国連人権理事会は8日、「アジアにおける国家の安全保障と市民の居場所」と題したイベントをオンラインで開催し、フィリピン、インドネシア、インドの人権アクティビストや弁護士が参加した。アジアの各地域で政府による人権侵害の事例が多発していることが改めて浮き彫りになった。


─ フィリピン「反テロ法制定以降で91人が殺害」


 フィリピンの人権監視NGOカラパタン事務局長のクリスティーナ・パラバイ氏は、2020年に成立した反テロ法の問題点を指摘した。反テロ法の成立以降、91人のアクティビストや農民が殺害されていることを明らかにした。現在、フィリピン最高裁に反テロ法の破棄を求める37件の請願が提出されているという。「反テロ法がテロを取り締まるためではなく、反対意見を取り締まるために使われ始めることはわかっていたこだ」


 パラバイ氏は、先住民族のグループの2人が反テロ法違反の容疑で逮捕・拘留されたことや、NGOや和平プロセスの交渉人の銀行口座が凍結される事態が起こっていることを指摘し、「先住民族や農民のコミュニティで進められるプロジェクトに悪影響を与えている」と批判した。


─ インドネシア「超法規的殺害にさられている」、インド「反テロ法が弾圧に」

 

 弁護士のグスタフ・カウェル氏は、インドネシアからの独立運動が続く現在の西パプア州でもフィリピンと同様な人権侵害事件や不当逮捕の事例が多発していると訴えた。1969年国連提案による住民投票で西パプア州(当時はイリアン・ジャヤ)がインドネシアに帰属されて以降も独立運動が続き、最近では2020年3月にインドネシア警察がパプア独立運動の2人を殺害する事件も起こっている。カウェル氏は「人々は超法規的な殺害、拘禁、拷問などにさらされている」と訴えた。


 また、弁護士のダシュヤン・デイブ氏もインドでは「反テロ法が政府に異を唱える者たちの弾圧に使われている」と訴えた。裁判が長期化する問題点も指摘した。NGOへの外国からの寄付は厳しく調べられ、制限されているという。


 国連の平和的集会及び結社の自由に対する権利に関する特別報告者、クレマン・ヴォール氏は「新型コロナウイルスの感染拡大とテロ撲滅キャンペーンが政治的異論の抑制や人権侵害に利用されており、このような行為は止めなければならない」と訴えた。



〈Source〉 UN calls for end to use of national security laws to silence dissent, Vera Files, July 9, 2021. インドネシア警察、パプア武装独立運動組織を急襲2人殺害 外国人殺人事件に関連容疑か, ニューズウィーク日本版, 2020年4月12日.

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