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国軍と国家警察の合同部隊、人権派牧師や農民組織の中心メンバー計4人を一斉逮捕 人権監視NGOは「組織的な弾圧」と批判


【写真】ボホール州にあるフィリピン合同教会でのミサの様子 (C) United Church of Christ in the Philippines - Rizal catigbian bohol / via Facebook of UCCP Rizal catigbian bohol


【27日=東京】2021年ウィリアム・D・サベル人権賞を受賞したフィリピンの人権監視NGOカラパタンは25日、国軍と国家警察の合同部隊がボホール島ボホール州とルソン島中部のラグナ州で人権派牧師や農民組織の中心メンバーら4人を一斉逮捕した、と発表した。カラパタンのクリスティーナ・パラバイ事務局長は「この一連の逮捕は明らかにドゥテルテ政権下で行われている対共産党鎮圧キャンペーンを装い、政府に異を唱える者たちを弾圧する組織的で容赦のない弾圧である」との談話を発表した。


 カラパタンによると、同日午後1時頃、国軍と国家警察の合同部隊が、農民開発センター(FARDEC)のボホール州プログラムコーディネーター、カルミロ・タバダ氏をボホール州トリニダードの自宅に襲撃し、逮捕した。タバダ氏の家族の話では、合同部隊はタバダ氏が銃器と爆発物を仕掛けたと主張したという。タバダ氏はトリニダット市の警察署に勾留されている。タバダ氏は、日本では村に当たるバランガイ(行政の最小単位)の評議員も務めているという。


 その同じ時間、首都マニラがあるルソン島のケソン州とラグナ州では、農民組織の地域連合クサマTK(KASAMA -TK)の地方組織中心メンバーのオーリー・マーセラナとクリスチャン・リラオの両氏が逮捕された。国家警察の警察地域機動隊第4A大隊、サンパブロ市警察署、国軍の合同部隊が逮捕した。


 その約3時間後には、同じく国軍と国家警察の合同部隊が、リベラル派で知られるプロテスタント系のフィリピン合同教会(UCCP)のナサニエル・バレンテ牧師をボホール島ボホール州の自宅で逮捕した。この数ヶ月で、ベンジー・ゴメス牧師、ダン・バルシオ牧師らUCCPの教会関係者を逮捕する事件が多発しているという。


 この日の一斉逮捕についてカラパタンは農民開発センターとフィリピン合同教会を狙った政治的な弾圧だとみている。


 国軍と国家警察の合同部隊が急襲し、ターゲットにした人物を逮捕、殺害するスタイルは「トクハン・スタイル」と呼ばれ、一般化している。報道で確認されるだけでも、2021年5月頃には殺害された人は40人近くに上り、80人以上が逮捕されている。

〈Source〉 Press release: Karapatan decries arrests of FARDEC officer and UCCP pastor in Bohol, peasant organizers in Laguna, Kaparapan, June 25, 2021. 勅使川原香世子, 2021, 「ミャンマーへの熱い眼差しと不可視化されたフィリピン」『現代女性文化研究所ニュース』 58: 11.

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